4.8. 細胞骨格 : 細胞の形と運動
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細胞骨格は細胞における骨格と「筋肉」、つまり支持と運動という機能を果たしている
細胞の形の維持
細胞骨格の機能の1つは細胞に機械的な支持を与え、その形を維持すること
細胞骨格には異なるタイプのタンパク質でできた異なるタイプの繊維構造がある https://gyazo.com/13dfd27484bb070976c0d1aad2c87c86
重要なタイプの繊維の1つ
微小管はタンパク質からなるまっすぐに伸びた中空の管
微小管より細く中空ではない
人体の骨格が器官の場所を固定しているように、細胞骨格も細胞内の多くの細胞小器官を固定し、また補強している
たとえば、核は細胞骨格の繊維の「かご」のなかに固定されていることが多い
他の細胞小器官は微小管でできた軌道に沿って移動する
たとえば、リソソームは微小管に沿って食胞に到達する 細胞内の細胞骨格は動的
細胞骨格は細胞のある場所でそのタンパク質のサブユニットを脱離して速やかに分解し、そして新しい場所でサブユニットが再結合して細胞骨格を再形成する
このような再配置は新しい部位に堅固さをもたらし、細胞の形を変化させ、また、細胞全体あるいは一部を移動させもする
繊毛と鞭毛
繊毛と鞭毛は細胞の移動のための、細胞から突出した運動性付随物 波形を描いてむちを打つような運動によって細胞を推進させる
鞭毛はヒトや他の動物の精子の場合のように1本だけの場合が多い 植物や藻類の鞭毛をもつ細胞は2本またはそれ以上の鞭毛を持つ。鞭毛を1本もつ系統と複数もつ系統は生物の系統進化のごく初期に分かれたという説が有力
鞭毛よりも一般的に短く、本数が多く、細胞の水深は8人乗りのボートのリズムの合ったオールのように協調した往復運動によって行われる
繊毛と鞭毛は長さや細胞あたりの本数、打ち方のパターンは異なるが、基本的な構造は同じで、ともに微小管の芯の周囲を細胞膜の延長部分が覆った構造 真核生物の鞭毛は内部構造は異なる
繊毛の中には、ある組織の細胞層の一部をなす非運動性の細胞についているものもある
それらは組織の表面の液体を移動させる
たとえば、気管を裏打ちする気管上皮細胞の繊毛はゴミを絡めた粘液を肺から運び去って呼吸器系を洗浄するのに役立っている 有毒な煙の粒子を肺まで到達させる
頻繁に咳をするということは、その体が呼吸器系をきれいにしようとしている
ヒトの精子の運動は鞭毛に依存しているので、鞭毛に問題があると、なぜ男性が不稔になるのかを容易に理解できる 機能不全の鞭毛を持つ精子は、女性の生殖器内を移動して卵に到達することができないので受精できない あるタイプの遺伝的不妊症の男性の中には、呼吸器の障害に苦しんでいる人もいる
精子の鞭毛と呼吸器官を裏打ちする繊毛の類似性で説明できる